テレビ東京
美の巨人たち 葛飾北斎『美人愛猫図』
シカゴ ウェストンコレクション所蔵の日本初公開の北斎の美人画
『美人愛猫図』
色香漂う美人と一見、可愛くない猫、どんな思いで猫を見つめているのか?
モデルはいるのでしょうか?
日本が誇る浮世絵師が魂を込めた肉筆画の謎を追います。

北斎の故郷で発見したお土産、
『東あられ』の「北斎揚げ」にも富士山の版画があるくらい
北斎といえば版画絵のイメージがありますが今回は美人画です。
葛飾 北斎
1760年10月31日~1849年5月10日
『富嶽三十六景』や『北斎漫画』で有名な
江戸時代後期の浮世絵師。化政文化を代表する一人であり
ゴッホも影響されたという世界的にも著名な画家
北斎といえば『富嶽三十六景』に代表される。

富士山の版画をすぐに思い浮かべますが美人画も書いてます。
北斎は版画の錦絵の他に『肉筆浮世絵』にも傑出していました。
葛飾北斎作『美人愛猫図(びじんあいびょうず)』は
毛筆による形態描出に敏腕を奮った作品で
絹に描かれている浮世絵美人は
すらりとした女性の立ち姿で
襦袢やかんざし、口紅の赤い色が艶かしく色香を際立たせています。
そして、描かれている
左手は袖を通さずに懐へ猫の首輪も鮮やかな赤
[ad#336]
『美人愛猫図』
絵師北斎一人で仕上げる肉筆美人画でした。
絵師北斎は特別な想いを込めて描く
北斎は一体どんな思いで美人と猫を描いたのか。
その謎に迫ります。

「宗理」から「北斎」の美人画の違い
[ad#co-1-1]
北斎の画号を変える「宗理」の時代30代~40代に
細い線で、多くの美人画を書いています。
この、『美人愛猫図』1800年から1810年くらい
「宗理」から「北斎」と画号を変えた40代~50代に「様々な太さの異なる線」
で動きのある表現で書いています。
灰色と赤の濃淡も線の動き陰影のような効果にこだわった。
愛らしいより不気味な猫の存在
画狂人と称し「北斎仮宅図」にもあるよいうに
93回の転居と100歳本物の絵師となると信じた北斎
猫に託したメッセージとは
女性は大事に抱えた猫はどこか不気味で、かわいくない猫に
愛おしさより哀れみ、寂しげな感じている表情
この絵は源氏物語の「若菜」の上の物語
光源氏の妻に恋をした光源氏の親友の息子「柏木」
赤い紐、出会いの物語。
この猫の姿こそ
90歳まで生きた北斎の姿ではなかったのでしょうか?
ただ、見て美しいという美人がでないところに北斎の妙がありますね。

大阪市立美術館『美人愛猫図』は日本初公開
大阪市立美術館(天王寺公園内)で開催されている
日本初公開!シカゴ ウェストンコレクションで
観ることができます。
肉筆浮世絵-美の競艶
~浮世絵師が描いた江戸美人100選~
大阪市立美術館
【平成27年4月14日(火曜日)~6月21日(日曜日)】
〒543-0063
大阪市天王寺区茶臼山町1-82
美人愛猫図(びじんあいびょうず)
葛飾北斎
絹本着色 1幅 江戸時代 ⒸWESTON COLLECTION葛飾北斎(1760~1849)の壮年期を代表する肉筆美人画のうちの一つ。女性の面貌や着物の文様、胸元に抱かれた猫などに見られる繊細な筆づかいからは、北斎の高い技量を十分にうかがうことができる。
[ad#336]