奇妙な目玉の絵で有名な「ルドン ひらかれた夢」ルドン展覧会
神奈川県・箱根町のポーラ美術館に行ってきました。
オディロン・ルドン(1840-1916)の展覧会「ルドン ひらかれた夢 幻想の世紀末から現代へ」
2018年7月22日(日)~12月2日(日)
画家ルドンの怖い絵といわれている絵画の特徴や
箱根のポーラ美術館へのアクセス
ルドン展 混雑状況についてまとめてみました。
画家ルドンの絵画とプロフィール
オディロン・ルドン(1840年~1916年)
フランス南西部のボルドーと生まれ地主の次男だったルドンは生後2日でボルドー北部にあるルパートの叔父の元に預けられ
絵画が好きの内向的な青年に育ちました。
22歳の時に国立美術学校建築科を受験しますが失敗。
画家を目指したルドンがその評価を確固たるものにしたのは50代以降のことでした。
ルドンは40歳で12歳年下のカミーユと結婚
46歳の時に長男ジャンが生まれますが、生後半年で亡くなってしまいます。
その3年後には次男アリが誕生し、ルドンは溺愛しますが、成長しアリは第1次世界大戦に出征そのまま帰らぬ人となりました。
ルドンは一目息子に会いたいと願いながら、76歳で失意のうちに亡くなりました。
ルドンの主な作品
笑う蜘蛛/木炭絵/オルセー美術館(パリ)
眼を閉じて/油彩/オルセー美術館(パリ)
グランブーケ/パステル/三菱1号館美術館(東京)
ルドン 絵画の特徴作品の背景世紀末の新しい美術を求めて
ルドンの生まれた19世紀ヨーロッパでは人々が世紀末に向けて新しい芸術を求め始めていました。
近代の合理主義に変わり、目に見えない精神的なもの取り戻そうとするなど、価値観が多様化してきたのです。
ルドンもそういった風潮の中で活躍した画家の1人です。
50歳までのルドンは主に黒一色で作品を制作していましたが、徐々にパステルや油彩を使った色彩豊かな絵を描くようになります。
ある時は黒一色、またある時は、内側から光り輝くような鮮やかな色彩で心に浮かぶ幻想や無意識的なイメージを絵画そして表現しようとしました。
ルドンの目玉の作品キュクロプス
ルドンの目玉を書いた絵として様々なものがありますが、目で強調される怪物の悲恋孤独を表したキュクロプスは有名な作品です。
キュクロプス/オディロン ルドン
1914年 64cm×51cm油彩/ミュラー美術館
心で感じた幻想世界を描くルドン
キュクロプスという一つ目の巨人族の1人にポリフェモス
という醜い怪物がいました。
ある時ポリフェモスはガラティアヤという美しい海の精に恋をしますが、彼女が愛したのは美青年のアキスであったため逆上したポリフェモス
はアキスを殺してしまいます。
ギリシア神話で語られるこの三角関係は古来より美術家に好まれ、しばしば絵画や彫刻のテーマとなりました。
ガラティアガラテヤが絵の中心となります。
しかしルドンの絵では、ポリペモスの目を強調して描くことで実らないガラティアとの恋や怪物の孤独感が巧みに表現されています。
世紀末の象徴主義を代表する画家ルドンは目に見える現実よりも心で感じた世界を重んじた幻想世界を鮮やかに描きました。
中央部に位置するのがガラテヤです。
身を潜めるガラティアははっきりした形で描かれておらず、その顔立ちや表情はうかがい知ることはできません。
ポリフェモスは大きな一つ目を持ち愛するガラティアの姿を探しているようです。
キュクロプスは色彩画家と呼ばれたルドンが晩年に当たる74歳頃に手がけた作品です。
ルドンの絵画作品
「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた
1880年 岐阜県美術館
アニメの花の絵はおそらくこの絵が基になったといわれています。
悪の華 No.9章末挿絵
1890年 大川美術館
ルドン展 混雑状況
ルドン展が開かれているポーラ美術館は箱根は山の中にあるためルドン展自体が混雑しているという状況はないと思われます。
しかし、休日等は箱根は観光客で混雑しますし、ポーラ美術館への道は曲がりくねった坂道なので道路混雑はあるかもしれません。
ポーラ美術館へのアクセス
ちなみにポーラ美術館へは箱根の街なかから離れた山の中にある美術館でアクセスは車かバスでゆくこととなります。ナビでポーラ美術館と入れれば大丈夫ですが途中、ナビ上の地図では見分けにくい交差点などがありますので注意してください。
ポーラ美術館には大きな駐車場がありますので駐車場は問題ないと思います。